FC2ブログ

内部被ばく

放射線概論P.318からの第10章に関するまとめです。
この章は生物の試験だけでなく、管理測定技術の試験でもよく出題されている分野です。

内部被ばくの経路は経口摂取吸入摂取経皮侵入の3経路があります。 
α線、β線などの飛程が短い放射線はエネルギーすべてを体内で失うので臓器や組織に対する影響は大きくなります。

内部被ばくの経路および防御法(平成17年度管理測定技術問1Ⅰ)
 ①経口摂取 : 飲み込み、胃腸管からの吸入 ピペッタ、手袋、マスクで防御
 ②吸入(経気道)摂取 : 呼吸、肺、気道からの吸収 マスクで防御
 ③経皮侵入 : 皮膚からの侵入または傷口からの侵入 手袋で防御


臓器親和性
 ボーンシーカー(骨親和性)骨腫瘍、白血病
      :32P,45Ca,65Zn,90Sr,226Ra,232Th,238U,239Pu,241Am
 137Cs : 全身、筋肉 (80%は筋肉に 数%が骨に 残りが肝臓などの組織に)
 3H,14C : 全身
 222Rn : 肺
 55Fe : 造血器、肝臓、脾臓
 60Co : 肝臓、脾臓
 232Th : 骨、肝臓
 238U : 骨、肝臓
 239Pu : 可溶性Puは骨、肝臓(骨腫瘍) 不溶性Pu(239PuO2)は肺(肺がん)
 241Am : 骨、肝臓
 Fe,Co,Zn : 体内でコロイドを形成 細網内皮系(肝臓、脾臓、骨髄、リンパ)に蓄積

 消化管吸収率 : Cs,I : 100%、Sr : 30%、Co : 5%、Pu : 0.001%

体内汚染の放射性物質の除去法(平成19年度管理測定技術問5Ⅲ)
 ①胃腸管からの吸収低減のためには、胃腸管の洗浄、下剤の投与、プルシアンブルーな
  どのイオン交換剤の投与

 
 ②ヨウ化カリウムなどの安定同位体を含む化合物の投与
  放射性のヨウ素を吸入する可能性がある場合には、あらかじめ24時間前に安定ヨウ素
  剤を服用しておくのがよい。もしくは吸入後でも2時間までなら甲状腺への集積の低減
  に有効(平成24年度生物問18)
 
 ③DTPAなどのキレート剤の投与
  D-ペニシランもキレート剤、Co,Cu,Zn,Hg,Pbなどの重金属とキレート錯体形成し尿
  へ排泄
 
 ④利尿剤の投与

体内被ばくの線量評価
 ①全身カウンタ(ホールボディカウンタ)による体外計測法(γ線検出)
  簡易型全身カウンタ
  ・スクリーニング目的(簡易的な遮へいと検出器の組み合わせ)
  ・Pb遮へい体付きNaI(Tl)シンチレーションカウンタ
  精密型全身カウンタ
  ・装置が大掛かりなことが欠点
  ・バックグラウンドの影響をなくすための遮へい室:Fe、Pbで遮へいした部屋
  ・検出器:NaI(Tl)シンチレーションカウンタ(最近は高分解能のGe検出器)
  ・データ解析部

 ②バイオアッセイ法(α、β線などもOK 全ての放射線)
  ・被験者の負担大、排泄関数に個人差があることから精度が悪い、ことが欠点
  ・尿、糞、呼気、血液、毛髪などを試料にする。
  ・吸入摂取が疑われる場合は、鼻スミア試料
  ・灰化などの試料調整が手間

 ③特定の器官に沈着している放射能の測定
  ・甲状腺モニタ : 131I
  ・肺モニタ : 酸化プルトニウム239PuOなどは肺に沈積 
   239PuからL殻電子の放出に伴って発生する13-20keVの特性X線
   241Amから放出されるγ線(59.5keV)を体外から測定

 ④空気中放射性核種濃度
  ・ダストモニタなどで計測
  ・作業者の立ち入った時間内の呼吸量から算出


スポンサーサイト



勉強法(化学)

だいぶ春らしく暖かくなってきましたね。
今夜から明日にかけて雨になるようですが、一雨ごとに暖かくなってきそうです。

3月も残り3日となり、来週からは4月ですね。
4月から新しく社会人になる方、大学、専門学校に進学される方、また転勤、転職などで仕事が変わってしまう方、いろいろな方が見えるかと思いますが、新しい生活を楽しむとともに頑張っていただきたく思います。

長い人生、良いこともあれば悪いこともあるかと思います。
私は人生の7,8割は苦労や大変なことなのではないかと思っています。残り2,3割の楽しみ、喜びのために人は毎日を頑張れるのではないかと思っています。

さて、4月になると8月の試験まで残り4か月半となります。
余裕をもって勉強に取り組んできた方は、本格的に過去問題に取り組んでも良い時期にきています。
過去数年分を3回り解けたらいいですね。(できることなら5回できれば完璧です)
もちろん、まだ過去問題まではとてもとてもという方も十分間に合いますので大丈夫ですよ。
私が受験した時には、4月半ばに受験を思い立って、ゴールデンウィーク明けの5月半ばに初めて放射線概論を手に入れ、勉強を始めましたので・・・(正直かなりきつかったですが・・・笑)

昨日、化学の勉強法に関してコメントをいただきました。
今日は、少し化学の勉強法について私が思うことを書いてみたいと思います。

放射線取扱主任者試験の科目の中で、皆さんが一番苦手または得点が取れない科目に挙げているのが「化学」ではないでしょうか?実は私も本番の試験では化学が最も低い点数(23/30)でした。
放射線概論を読んでいても、化学が最も量も多く範囲も多岐に渡っているので、化学の科目で得点を取るには、万遍なく勉強しておくことが必要かと思います。

まずは、化学に対して自分の基礎知識がどの程度あるかを考えてみてください。
高校化学の知識がどの程度ありますか?

高校化学の知識があやふやならば、高校化学の参考書から勉強することをお勧めします。
以前も書きましたが、大学受験をするわけではないので、参考書全部を学習する必要はありません。放射線取扱主任者試験で問われる分野に関するところのみで結構ですので、高校化学の参考書を勉強してみてください。
過去問題を解きながら、苦手分野、わからないところを高校化学の参考書で勉強する。このような勉強を繰り返してみてください。

放射能に関する問題、核種に関する問題、また放射化分析やホットアトムなど、放射線そのものに関する分野は放射線概論を調べればよいかと思いますが、一般化学分野である周期表に関することや原子構造、気体発生や沈殿、モル計算などは高校化学の参考書で勉強した方が分かりやすいかと思います。

試験はまだ先ですので、苦手科目の克服を行える時間は十分にあります。
気ばかり焦るよりも、ゆっくりと時間をかけて基礎から勉強しなおした方が意外と近道なんですよ。「急がば回れ」、「学問に王道なし」です。

もちろん、高校化学に関する知識が既にある方は放射線概論と過去問題中心の勉強法でよいかと思います。

いずれにせよ、苦手科目ほど多くの年数の過去問題を解くことが重要かと思います。


このブログでも、化学に関する勉強法について以前少し触れたリンク先を以下に記しますので参考にしてみてください。

 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-191.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-192.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-193.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-194.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-199.html



放射線治療(加速器、核医学)

生物のまとめも終盤に来ています。
放射線概論P.313からの加速器、核医学に関しては、このブログ内で過去にも記述していますのでリンク先をご覧ください。

加速器による治療
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-27.html

LINAC(リニアック・ライナック)とは直線加速器のことで、放射線治療用のX線や電子線を発生させる装置で、最も一般的な放射線治療装置です。

HIMACは、前加速器としてライナックを用い、主加速器としてシンクロトロンを使用しています。がん治療に使用できる加速できるであり、加速可能な重粒子の種類としてヘリウム、炭素、窒素、酸素、ネオンなどがあります。


核医学
 重要な核種がありますので是非暗記してください。

 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-37.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-36.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-145.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-137.html


がん治療

がん治療

陽子線、重イオン線はブラッグピークを形成するので、正常組織への副作用が少なく深部線量分布に優れています。そのため、身体の深部のがん細胞(腫瘍組織)に集中して線量を与えられるので、腫瘍細胞死を起こすことができます。
(X線、γ線、電子線、中性子線はブラッグピークは形成しない)

・中性子線や低LET放射線は表面付近でエネルギーが大きく深部に行くにしたがい小さくなる
・粒子線では粒子の質量が大きいほどRBEが大きくなる
・陽子線のRBEはそれほど大きくないため、重イオン線がRBEも大きく最もがん細胞致死に効果がある

bragg.jpg

このグラフをブラッグ曲線といいます。
縦軸は比電離(単位長さあたりの電離数)を表し、飛程の最後に大きくなります。
ブラッグ曲線は陽子線やα線、重粒子線で示します。
X線、γ線、電子線、中性子線はブラッグ曲線は示しません。

ブラッグ曲線 
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-93.html


低酸素細胞増感剤
 
 低酸素細胞であるがん細胞に増感作用を持ち、酸素細胞である正常細胞には増感作用を示さないものでがん治療薬剤として期待されるものです。
 低酸素細胞増感剤はそれ自身は電子を取り込むことで還元され、相手側を酸化するため電子親和力を有するものが用いられます。
(放射線概論P.313)

低酸素細胞増感剤:メトロニダゾール、ミソニダゾール
放射線増感剤:BUdR(5-ブロモデオキシウリジン)、IUdR(ヨードデオキシウリジン)
         BUdRはウリジンであるが、構造がDNA構成物質であるチミジンと類似のため、DNAに取り込まれやすい。
 
 (ただのウリジンはRNAの合成の標識化合物として用いられることに注意)



オートラジオグラフィー

オートラジオグラフィーは放射線の感光作用を利用した像を形成するものです。
そのため、放射線のエネルギーが像の解像度に大きく影響を及ぼします。


オートラジオグラフィーに関しては、放射線概論P.310に記載がありますので是非暗記してください。
このブログでもまとめてありますのでご覧ください。
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-67.html

標識化合物について

放射線概論P308からの第9章は、生物のみならず化学や管理測定技術の試験などでもよく出題されている分野です。

有機化合物のトレーサー試薬として使用される代表的な核種には以下のものがあります。
壊変、半減期、エネルギーすべて覚えておきましょう。


 トリチウム 半減期12.3年 β-壊変 18keVのβ線のみ
 
 で生成


 半減期5730年 β-壊変 156keVのβ線のみ

 で生成


 β-壊変 半減期14日 1.711MeVのβ線のみ γ線は放出しない
 32P関連で覚えておきたい核反応は
  ①捕獲反応:     
  ②高速中性子の測定反応
      → 髪の毛の硫黄(S)が高速中性子で放射化される
  ③塩化アンモニウム(NH4Cl)を中性子照射:  


 β-壊変 半減期25日 250kVのβ線のみ γ線は放出しない 
 低エネルギーβ線放出のためオートラジオグラフィーで解像度がいい


 半減期88日 β-壊変 167keVのβ線のみ 

○低エネルギーβ線放出核種
    → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

○リン → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-34.html

標識化合物に関しては、命名、利用、合成などが重要です。化学の試験でも頻出分野ですので是非暗記してください。
標識化合物に関しては、このブログの以下の記事を参考にしてください。
 
○標識化合物の命名、保管方法
  → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-76.html

○標識化合物の合成
  → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-77.html

○標識化合物の利用
  → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-137.html


放射線による影響の修飾要因

放射線概論P.304からの第8章は、放射線による影響の修飾要因がまとめられています。

この章に書かれている「放射線による影響の修飾要因」は、既にこのブログでも書いてきた内容ですので、このブログでのリンク先を明示しますので是非ご覧頂き重要事項を覚えてください。

線エネルギー付与
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-107.html

 高LET放射線 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-121.html

RBE(生物学的効果比)
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-214.html

放射線荷重係数
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-109.html

酸素効果、保護効果、増感剤などは間接作用の効果としてみられます。
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-209.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-210.html

ベルゴニー・トリボンド-の法則
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-224.html


胎児被ばく

今日は放射線概論P.301からの「7.胎児影響」について重要事項を覚えてください。
胎児被ばくは、生物の試験で毎年1問は必ず出題されている重要分野です。

胎児が被ばくすることを胎内被ばくといいます。

着床前期
 受精8日までで、胚死亡になることがあります。しきい線量は0.1Gy
器官形成期
 受精9日から受精8週で、奇形の原因となります。しきい線量は0.1Gy
胎児期
 受精8週から受精25週までは、精神発達遅滞が見られます。しきい線量は0.2-0.4Gy
 受精8週から受精40週までは、発育遅延が見られます。しきい線量は0.5-1.0Gy


 発ガンと遺伝的影響は全期間にわたって起こる可能性があります。

・奇形のマウスでのしきい線量は0.25Gy
・胎内被ばくは、胎児自身の身体的影響である。
・胎児は成人よりも感受性が大きく、発ガンのリスクは成人の2,3倍、新生児や小児とは同
 程度 白血病が多い
・遺伝的影響のリスクは成人と同等
・被ばく線量の推定には母親の子宮線量が使用される
・致死感受性が最も大きいのは、着床前期である
・奇形は器官期形成期以外では起こらない
・精神発達遅滞は胎児期以外では起こらない
・小頭症はヒトで確認された唯一の奇形であり、第15週までがリスクが大きい


胎内被ばくには、
①確定的影響  :胚死亡、奇形、精神発達遅滞、発育遅延
②確率的影響 : 発ガン、遺伝的影響

 

遺伝的影響と発生率の推定

今日は、遺伝的影響とその発生率の推定方法についてまとめたいと思います。
放射線概論P.296-297 です。

遺伝的影響とは、将来子供を産む可能性がある人が生殖腺に被ばくを受けた場合のみ適用されます。


遺伝的影響の発生率の推定法
・直説法 : 動物実験により求めた突然変異率から遺伝的影響の発生率を直接推定する
・間接法 : ヒトの遺伝的疾患の自然発生率と動物実験による倍加線量を比較して推定
        する方法

倍加線量
・自然発生の突然変異率を2倍にするのに必要な線量
・倍加線量が大きいほど遺伝的影響は起こりにくい
・倍加線量の逆数は単位線量あたりの相対突然変異リスクを表す
・倍加線量としては1Gy


 原爆被ばく者の疫学データからは、発ガンの増加は認められているが遺伝的影響の増加は認められていない。

 遺伝有意線量は、男性も含めた全集団で考慮している。



発がん

今日は放射線概論P.294-295にかけて是非覚えておきたいことを書きたいと思います。


以下のことについては定義をしっかり覚えておいてください。

リスク予測モデル
 発ガンによる生涯リスクの推定で将来の発生数を現時点での発生数から予測するための発現分布モデル

リスク係数
 単位線量あたりのガン発生率

絶対リスク予測モデル
 線量あたりにどれだけ影響が発生するかという評価方法(自然発生とは無関係)
 自然発生が少ない白血病が適合

相対リスク予測モデル
 線量あたり、自然発生率の何倍の影響が発生するかという評価方法 
 自然発生が多い固形ガンが適合



リスク係数を算定する場合、全てのガンに直線モデルを適用して、高線量・高線量域からのずれを補正するために線量・線量率効果係数(DDREF)として2を採用しています。


その他、暗記しておきたいこと

原爆被ばく者の疫学調査で
・発がんの増加は認められている(放射線が誘発する)
・遺伝的影響の増加は有意ではない

・組織荷重係数の大きさはガンの感受性を表している
・組織荷重係数は低線量被ばくによる確率的影響を評価するための係数である
・ガンは確率的影響で晩発影響
・被ばく線量と悪性度には相関関係は認められていない


白血病、固形がんについては以下のことを抑えておいてください。

白血病
・造血細胞由来の腫瘍
・原爆被ばく者の最小潜伏期間は2年 ピークは被ばく後6-7年 平均12年
・潜伏期間が最も短いガンである(固形ガンの潜伏期間は最低10年)
・白血病では潜伏期間は被ばく線量が大きいほど短い
・被ばく時の年齢が若いほど潜伏期間は短い
・LQ(直線-2次曲線)モデルが良く適合
・絶対リスク予測モデルが適合

固形ガン
・最小潜伏期間は10年
・潜伏期間は年齢などで複雑
・好発年齢を迎えて発生するので若年被ばくの方が潜伏期間は長い
・固形がんでは潜伏期間は被ばく時年齢と到達年齢(がんの好発年齢)にも関係し複雑である。
・直線モデル(Lモデル)が適合
・相対リスク予測モデルが適合






骨髄死、腸死、中枢神経死

生物についてずっとまとめてきていますが、今月中に放射線概論の生物の最後までをどうにかまとめたいと思っています。
今日は放射線概論P.292-293の骨髄死、腸死、中枢神経死について覚えてください。

○骨髄死
・被ばく後10~15日がピーク
・骨髄障害は0.5Gyくらいから起こる
 
 1Gy : 10%に吐き気、食欲不振、めまいなどの放射線宿酔
 1.5Gy : 死亡のしきい値
     白血球低下による抵抗力の低下・・・・・・・> 造血臓器が原因
     血小板低下による出血性傾向の増大・・・>  のため骨髄死、造血死

 
 3~5Gy : 被ばく者の半数が死亡(LD50(60))
 7~10Gy : 被ばく者の全数が死亡(LD100(60))

 (ただし、無菌室で治療が行えるかどうかで線量が大きく変わる 10Gy位なら無菌室や
  移植で延命が可能)

 半致死線量とはヒトの場合、骨髄死にあたるLD50(60)=3~5Gyである。
 マウスの半致死線量LD50(60)=5.6~7Gyである。




○腸死(腸管死)
・5~15Gyの被ばくで生じる
 この線量域では骨髄も影響を受けているが骨髄は潜伏期間が長い(30~60日)ため小腸の影響が早く出ます。
 腸死では幹細胞であるクリプト細胞の細胞死に基づくもので、小腸が10Gy以上の急性照射を受けるとクリプト細胞が分裂を停止し、吸収上皮細胞の供給が止まり、粘膜の剥離、萎縮、潰瘍、また脱水症状、電解質平衡の失調、腸内細菌の感染などが発生する。(繊毛が減り、腸内壁を覆いきれなくなり体液が漏出する) 

腸死は5~15Gyでは線量に関係なく吸収上皮細胞の寿命である10~20日で死に至る。
 (マウスでは3.5日効果で3.5日)




○中枢神経死
 15Gy以上 : 神経系損傷 1~5日で死亡
    高線量に見られる血管系、細胞膜の損傷
    神経細胞の感受性は低いので、神経細胞の細胞死は起こらず、血管系、細胞膜の
    損傷



放射線概論P.293の図6.1の線量と生存期間の関係の図を下に示します。
大まかな線量と生存日数、死因は覚えておいてください。

線量と生存期間の関係図

 数百Gy以上 : 分子死
 100Gy程度 : 中枢神経死(平均生存1~2日)
 10~50Gy : 消化管死(線量不依存域)  ヒト10~20日 マウス3.5日効果
 3~5Gy : 骨髄死(線量の低下で生存も長くなる)  骨髄は感受性が高いため低い線
         量で起こる。

 3~5Gy : 骨髄損傷 30~60日で死亡
 5~15Gy : 胃腸管損傷 10~20日で死亡
 >15Gy : 神経系損傷 1~5日で死亡


    


急性放射線症

昨日から腰が重かっったのですが、今日少し無理をして運動をしてしまったため、今腰が痛くて痛くて・・・顔を洗うのも、立ち上がるのも非常に痛くかなり辛い状況です。
明日、立ち上がれなかったらどうしようかと・・今少し心配です。

私事はさておき、今日は放射線概論P.291からの内容についてまとめたいと思います。

急性放射線症
 短期間に大量の放射線(1Gy以上の大線量)を浴びる(被ばくする)ことで引き起こされる症候群
 高線量の放射線(約1-2 Gyから10 Gy)に被曝した直後から数カ月の間に現れます。

主な症状は、
 ①被曝後数時間以内に認められる嘔吐
 ②数日から数週間にかけて生じる下痢、血液細胞数の減少、出血、脱毛、男性の一過性不妊症など


 下痢は腸の細胞に傷害が起こるために発生し、血液細胞数の減少は骨髄の造血幹細胞が失われるために生じます。
 出血は、造血幹細胞から産生される血小板の減少により生じます。
 また、毛根細胞が傷害を受けるために髪の毛が失われます。実際には毛髪は抜けるのではなく、細くなり最後には折れる現象がみられます。
 男性の不妊症は、精子を作り出す幹細胞が傷害を受けた結果生じます。
 
全身が1Gy以上の大線量を短時間に被ばくした場合は、以下の4つに分類されます。

 ①前駆期:吐き気、下痢などの放射線宿酔、発熱、頭痛、初期紅斑、皮膚、粘膜の毛細
  血管拡張、唾液腺の腫脹等の症状が一過性に発現する被ばく後48時間

 ②潜伏期:組織の細胞欠落症状が発現するまでの比較的無症状の期間
  全身被ばく後、約1~2週間後に発症 被ばく線量が高いほど潜伏期は短くなる

 ③発症期:潜伏期以降から回復期までの期間 
  全身被ばく後1~2ヵ月の時期をいい、線量に応じて種々の症候群が発症 
  主な症状は出血傾向、感染症による発熱、下痢、下血および皮膚の紅斑、湿疹、糜爛、
  潰瘍等
 ④回復期:線量が少ないと1ヶ月程度で回復
  骨髄障害の治療が成功し、消化管障害や皮膚障害を乗り切った時点


 急性障害の発症までの潜伏期間は線量によって異なり、線量が大きくなると潜伏期間は短くなります。

放射線宿酔
 1Gy:10%に吐き気、食欲不振、めまい
 8Gy:全員が1~2時間以内に吐き気、食欲不振、めまい


参考ページ
 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-03-01

理研

最近はまた寒い日が続いていますね。
3月に入り、試験まで半年となりました。
放射線取扱主任者試験は出題範囲も広いため、大学、専門学校などで知識を習得していない方は、半年は試験勉強期間が必要かと思います。
まだ、本格的に勉強を始めていない方は、そろそろ本腰をあげて取り組まれてはいかがでしょうか?

既にある程度勉強が進んでいる方は4月から過去問題に取り掛かれると良いですよね。
じっくり問題を解くのに時間を費やせるかと思います。

さて、話は変わりますが、以前このブログでも少しだけ「リケジョ」について書いたことがあります。
リケジョ、すなわち理系女子のことですね。

今年1月に理研の女性研究者が若くしてSTAP細胞という歴史的な発見をし、Natureに掲載されたというニュースがあったことは皆さんもご存知かと思います。
テレビ、新聞でもかなり大々的に取り上げられました。
私も、若くして凄い女性がいるんだなあと感心していました。

しかし、最近は雲行きが怪しくなってきていますね。
「再現性がとれない」、「データに加工の疑いがある」、「引用なき他の論文から無断コピーがある」など、インターネットでもかなり話題になっています。
最近では、理研の内部?の方からの内部告発?に近い記事も載っているような・・・
私も、STAP細胞に関しての記事はインターネットのいろいろなページやブログを興味深く読ませてもらっており、この問題には現在非常に関心を寄せています。

この論文の共著者にはかなりの実績のある有名な研究者の名前もあるそうですので、この論文が偽りのない画期的な論文であることを願っています。
理研が現在内部調査を進めているようですが、日本を代表する研究機関である理研だけに、できるだけ早い真摯な調査、対応を期待しています。

第二のヘンドリック・シェーンが生まれないことを祈っています・・・




白内障

コメント欄にも記載しましたが、ブログ中の式に誤りがありました。
申し訳ありません。
修正いたしました。

今日は白内障について覚えてください。
白内障に関しては、生物の試験でよく出題されています。

○白内障
(確定的影響で晩発影響)


 水晶体の前面にある水晶体上皮細胞は非常に感受性が高く(放射線概論P.288)、水晶体混濁、白内障の原因となります。

・線量が増えると潜伏期間は短くなる
・白内障は線量率効果があるため、低線量率ではしきい線量は大きくなる
・吸収線量が等しい場合は、γ線よりも速中性子線で発生しやすい
・白内障の原因が放射線に起因するものか、他に起因するかは区別できない

しきい線量
  水晶体の混濁              白内障   
 急性: 2Gy/1回照射     5Gy/1回照射 (線量率効果あり)
 慢性: 5Gy/1回照射     8Gy/1回照射 (線量率効果あり)

プロフィール

ふー

Author:ふー

ランキングに参加中
もしよければクリックお願いします
FC2ブログランキング
もしよければクリックお願いします

FC2Blog Ranking

訪問者
現在の閲覧者数
リンク
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事
最新コメント
カレンダー
02 | 2014/03 | 04
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR