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皮膚障害

今日は皮膚の放射線障害について簡単にまとめてみたいともいます。

皮膚の放射線障害については、潜伏機関や症状について複雑であるため、簡単にまとめるのが難しいことが放射線概論のP.287に記載してあります。

以下のリンクも参考になりますのでご覧ください。
 → http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-03-05

○皮膚
・皮膚障害はしきい線量が存在するため確定的影響である。
・初期紅斑→水泡→びらん・潰瘍 の順
・紅斑:最も早く現れる影響が一過性の初期紅斑(3Gy程度で2-3日) 持続性紅斑(5Gy
 以上)
・皮膚の外部被ばくでは火傷と異なり痛みは感じない
 (平成22年度生物問15、平成23年度生物問18)

・線量と症状の関係
 (放射線概論P.287表5.3、P.288表5.4に記載)
 
 放射線概論P.287表5.3
  3Gy以上 : 脱毛
    脱毛に関しては1-2Gyで髪の成長が一時的に停止、3Gyで3週間後に脱毛、
    4-5Gyで1~2週間後に脱毛
  3-6Gy : 紅斑、色沈
  7-8Gy : 水泡、びらん
  10Gy以上 : 潰瘍
  20Gy以上 : 難治性潰瘍、湿性ラクセツ
   (乾性ラクセツは被ばく後3週間:放射線概論P.290問5)

 放射線概論P.288表5.4
  2-6Gy : 3週間 乾燥、脱毛
  6-10Gy : 2週間 充血、紅班
  10-20Gy : 1週間 炎症、水泡
  20Gy以上 : 3-5日 びらん、潰瘍

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小腸と腸死(消化管死)

文字色今日は小腸の感受性について是非覚えておきたいことを書きたいと思います。
(放射線概論P.286)

消化管の放射線感受性は、
 十二指腸>小腸>大腸>胃>食道
の順になります。

生物の問題でも、この順位は何回か出題されていますので是非暗記しておいてください。

 小腸の感受性が高いのは、幹細胞である小腸クリプト細胞の感受性が高いためです。1-2Gyでは回復が早いので症状は出ません。胃腸障害(下痢、食欲不振)は3Gy以上で起こります。

○腸死(放射線概論P.292-293)
・腸死(腸管死)は5~15Gyの被ばくで起きる
・この線量域では骨髄も影響を受けるが、骨髄は潜伏期間が長い(30~60日)ため小腸の
 影響が早く出る
・幹細胞であるクリプト細胞の細胞死に基づく
・小腸が10Gy以上の急性照射を受けるとクリプト細胞が分裂を停止し、吸収上皮細胞の
 供給が止まる
・粘膜の剥離、萎縮、潰瘍、脱水症状、電解質平衡の失調、腸内細菌の感染などが発生
 (繊毛が減り、腸内壁を覆いきれなくなり体液が漏出する)
・腸死は5~15Gyでは線量に関係なく吸収上皮細胞の寿命である10~20日で死に至る
 (マウスでは3.5日効果で3.5日)

参考までに
・半致死線量とはヒトの場合、骨髄死にあたるLD50(60)=3~5Gy
・マウスの半致死線量LD50(60)=5.6~7Gy


 マウスの半致死線量>ヒトの半致死線量 (過去に出題されています)


生殖腺

今日は生殖腺に関連することで是非覚えておきたいことをまとめてみたいと思います。

不妊 : 確定的影響で身体的影響
生殖腺障害 : 確率的影響で遺伝的影響


不妊に関するしきい線量(暗記すること)
      一時的不妊     永久不妊
 男性    0.15Gy     3.5-6Gy
 女性   0.65-1.5Gy   2.5-6Gy



○精巣(細胞再生系)
・感受性 : 精原細胞(幹細胞)>精母細胞>精細胞(精子細胞)>精子 の順に高くなる
・精原細胞の細胞死のしきい線量は0.15Gyで成人のしきい線量の中で最低
・被ばく後、精原細胞の細胞死から供給が絶たれるまでに時間がかかるため、被ばく直後には死には至らない
 一過性の不妊になり、線量率効果もない
・3.5-6Gyで精原細胞は死ぬため永久不妊になる。
・精子は抵抗性であり、照射直後なら不妊にはならない。数日で減少して不妊になる。
・精子はDNA損傷の修復機能がない

○精巣の突然変異に関する感受性
生殖腺とは逆で 精細胞(精子細胞)>精子=精母細胞>精原細胞 の順に高くなる
 放射線感受性は精原細胞が最大であるが、突然変異に対する感受性は精原細胞は最低である。この理由としては、精原細胞は代謝が盛んなため回復しやすいためである。



○卵巣
・感受性 : 成熟卵母細胞が最大
・胎児期に卵母細胞の分化まで進行(未成熟)して停止中である(思春期に分化が再開)
 よって、卵巣は幹細胞を持たないので卵巣は再生細胞系ではない
・卵母細胞は、静止期では感受性が低く、分化再開後は感受性は非常に高い
卵母細胞は、アポトーシスで細胞死する





血球に関して

仕事が少し忙しく一週間ぶりの更新になります。

今日は血球に関して少し触れたいと思います。
放射線概論ではP.282-285の内容になります。

血球に関しては毎年生物で1問程度は出題されていますので、是非暗記しておきたいですね。

本ブログでも以前まとめてありますので是非ご覧いただき、暗記に役立ててください。
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-115.html
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-116.html

以下の図は重要ですので、大まかな図は自分で描けるようにしておいてください。
必ず役に立ちます。
生物の試験では、この図に関する問題が良く出題されています。

抹消血中の血球数の経時変化


細胞再生系とベルゴニー・トリボンドーの法則

今日は細胞再生系ベルゴニー・トリボンドーの法則 について覚えてください。

細胞再生系は、常に盛んな細胞分裂を行っており、細胞が新しく造られる臓器・組織で幹細胞と呼ばれます。未分化な細胞が存在しています。これらの細胞再生系は放射線高感受性です。

筋肉や骨などは放射線低感受性となります。

○細胞再生系
 骨髄、精巣、腸、皮膚、毛のう、水晶体

 
リンパ組織、卵巣は放射線高感受性であるが、細胞再生系ではありません。これらが高感受性であるのは、小線量で間期死を起こすためです。


放射性感受性について需要な法則であるベルゴニー・トリボンドーの法則は是非覚えておいてください。
昨年の生物の問題15にも出題されています。

○ベルゴニー・トリボンドーの法則
放射線の影響が強く現れる組織の条件
・細胞分裂頻度が高い
・将来行う細胞分裂の数が多い
・形態および機能が未分化



突然変異

前回は放射線を照射された細胞の回復について記載しました。
高線量率で短時間に照射(急照射)するよりも、低線量率で長時間にわたり照射(緩照射)した場合の方が影響が小さくなることを線量率効果ということについても書きました。

今日は、遺伝子や染色体の突然変異についてまとめてみたいともいます。
生物の試験でも毎年必ずといっていいくらい出題されている分野です。是非覚えてください。

○遺伝子突然変異
 DNAの損傷により遺伝情報が変化することをいいます。
 遺伝子突然変異では遺伝子だけが変化し染色体の構造には変化はありません。そのため、塩基ひとつの損傷など点として遺伝子が変化するため点突然変異ともいわれます。
 1箇所の変化に基づくので線量に比例します。(線量に対して直線的に増加)

○染色体突然変異
 染色体の構造に変化が生じ、その変化に伴い染色体上の遺伝子に変化が生じます。染色体異常です。染色体異常には、「数の異常」と「構造の異常」が存在しますが、放射線では「構造の異常」のみ起こります。

染色体異常の原因
 DNA損傷(2本鎖切断)による染色体の切断によります。切断の大部分は修復されますが、修復されずにそのままであったり、誤って再結合した場合に異常となります。
 M期中期に染色体異常として観察されます。

・安定型異常(発ガンの原因)
 欠失 : 1箇所切断により末端部が欠失した末端欠失と2箇所切断により中央部の欠失
       した中間欠失
       X線などの電離放射線で多い
 逆位 : 2箇所切断により中央部が180°回転して再結合したもの
 転座 : 2箇所の染色体間で部分的に交換が起こったもの

・不安定型異常(早期に消失)
 環状染色体(リング) : 両腕で切断が起こり、動原体を含む中央部の両端が再結合しリ
                ング状になったもの
 2動原体染色体 : 動原体を2個もったもの

 姉妹染色分体交換とは、S期に合成された同じ遺伝情報をもつ2本の染色分体であり、遺伝情報に変化はないため染色体異常ではありません。

○細胞周期による違い
 G0期での照射はDNA合成期のS期の前なので染色体異常
 G1期での異常はDNA合成期のS期の前なので染色体異常
 G2期での異常はDNA合成期のS期の後なので染色分体異常


○バイオドシメリ(生物学的線量算定)
 末梢血中のリンパ球の観察から被ばく線量を推定可能
 検出限界X線、γ線0.2Gy

損傷からの回復(SLD回復、PLD回復)

今日は、細胞が放射線を受けた時の損傷からの回復についてまとめたいと思います。
放射線概論ではP.273-275に記載してあります。

回復について理解する前に線量率効果についても是非覚えておいてください。

線量率効果
 高線量率で短時間に照射(急照射)するよりも、低線量率で長時間にわたり照射(緩照射)した場合の方が影響が小さくなること



それでは、本日の本題の細胞の損傷からの回復についてまとめたいと思います。

①SLD回復(亜致死損傷からの回復)

SLD回復

・分割照射では同じ大きさの肩が2つ見られる
 生存曲線の肩が小、Dqが小、N≒1指数型
・低LET放射線(X線、γ線)ではSLD回復、線量率効果がみられる
・高LET(中性子線、α線、重粒子線など)ではSLD回復、線量率効果が無いか小さい
 高LETではDNA2本鎖切断が多くなるため、回復は小さくなる

細胞周期では、
・G2期からM期では放射線感受性が高い。→ 肩が小、SLD回復が小 直線に近い
・S期後半では放射線感受性が低い → 肩が大 SLD回復が大
 S期後半~G2期が放射線感受性が低いのは相同組換え修復に必要な相同なDNAが複製されたばかりで距離的に近く効率よく修復が進むためである。

②PLD回復(潜在的致死損傷からの回復)
・本来であれば死に至る細胞が、照射後に置かれる条件により損傷が回復すること
1時間以内に回復が終了するもの照射後2-6時間かけて回復が行われるものの2種類があり、6時間以上経過した後、条件を変えてもPLD回復は見られない。
・高LET(中性子線、α線、重粒子線など)ではPLD回復は無いか小さい


SLD回復:肩が2回現れるが、直線部分の傾きは変化しない(D0は変わらない)
      生存率の上昇は照射後12時間で最大となり、それ以降は変化しない

PLD回復:直線部分の傾きが緩やかになる(D0が大きくなる)
      生存率の上昇は照射後6-7時間で最大となり、それ以降は変化しない



2月です

2月に入りました。
今年の試験まで半年になりましたが、皆さん勉強の進捗状況はいかがですか?

11月から勉強を始めた方は、3カ月が経ち、放射線について少しずつ理解が深まってきたのではないでしょうか。

勉強が予定通り進んでいいる方、またそうでない方もこの時期に一度過去問題を解いてみることをお勧めします。今まで自分が勉強したことでどの程度本当の試験問題を正解できるか、また、今までの勉強の中で何が理解でき、何が理解できていないかを過去問題を解くことで再認識できるかと思います。

このブログでも、何回も書いてきましたが過去問題を解くのには結構な時間を要します。
学生の方、社会人の方が夜自宅で解く場合には、1年分の6科目をすべて解くには、1日1科目としても1週間くらいかかると思ってください。4年分の過去問題を1回解くのに約1か月かかる計算になります。最低3回くらい解こうとすると2~3か月程かかるということです。もう少し多くの年数を試験までに解いておこうとするとさらに多くの時間が必要になります。
是非、この時期に今までの勉強の仕方、方向性をを再確認する上でも少しでも過去問題に触れておくことは大切かと思います。

今年の試験に向けて、これから勉強を始めようとしている方もまだ半年ありますので十分間に合います。
2,3,4月の3カ月で放射線概論などの参考書で放射線の基礎について理解し、5月くらいからは過去問題中心の勉強を始めれば十分に間に合います。

初めてこの試験を受験する方は、
 「放射線概論などの参考書で放射線の基礎を理解してから過去問題を解く」

この試験を過去に受験したことのある方である程度の放射線に関する基礎が分かっている方は、
 「過去問題を中心に勉強を行い、苦手分野、理解できていない分野を放射線概論に戻り学習する」

このような勉強で良いのではないでしょうか。

最終的には過去問題を何回も何回も解きながら理解を深めていくことが大切です。

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