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細胞の生存率曲線

放射線を照射した場合の細胞の生存率に関して、生物の試験や物化生の生物に関する問題ではよく出題されてます。

細胞の生存率曲線などに関して、覚えておきたい重要事項は以前このブログでも書きました。
是非以下のページを理解してください。
 → http://radioisotope1.blog.fc2.com/blog-entry-147.html

指数や対数の式がいくつか出てきて、少し苦手意識を持っている方も多いかもしれませんが、指数や対数に関しては第一種放射線取扱主任者試験では物理や化学の分野でも出題されることが多いため是非マスターして欲しく思います。

指数や対数に関しては、カテゴリの「知っておきたい数学」でも書いていますので、是非ご覧ください。

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細胞死のまとめ

今日は細胞死についてまとめたいと思います。

細胞が放射線を照射された場合の細胞死は、細胞周期の観点からの分類と形態の観点からの分類があります。

○細胞周期の観点から
 分裂死(増殖死)間期死に分類できます。
 
・分裂死(増殖死)
 活発に細胞分裂している細胞が、照射を受けてから何回かの細胞分裂をした後に、無限増殖能を失って起こる死


 分裂停止後もDNAやタンパク質の合成は継続 → 巨細胞、核の融合
 細胞分裂が盛んな細胞で起こる → 幹細胞、芽細胞、腫瘍細胞(がん細胞)、培養細胞
 分裂死の判定 → 肉眼で観察可能な50個以上の細胞からなるコロニー数をカウントするコロニー形成法を採用
 
・間期死
 分裂することなく死に至る現象


 もはや細胞分裂を行わない細胞 → 神経細胞、筋細胞
 ただし、細胞分裂している細胞でも分裂死が起こる線量よりもさらに大きな線量では間期死が起こる(低感受性間期死)
 リンパ球、卵母細胞 → 低線量で間期死(高感受性間期死)アポトーシス
 (抹消リンパ球は成熟しておりもはや分裂しないので間期死)
 間期死の判定:細胞に色素を取り込ませて排出能を調べる

○細胞死の形態の観点から
 ネクローシスアポトーシスに分類できます。

・ネクローシス
 病的で受動的な死

 
 細胞や核の膨潤、DNAの不規則分解、細胞内容の流出、DNAは断片化するスメア状

・アポトーシス
 生理的で能動的な死、プログラム死(損傷細胞の自己排除)
 
 リンパ球で見られる高感受性間期死はアポトーシス
 クロマチンの凝縮、DNAの断片化(ラダー状:決まった箇所で切断)、核濃縮、マクロファージによる貧食、小胞形成

 セネッセンス:
 細胞老化
 細胞の分裂が不可逆的に停止し、もはや増殖できなくなった状態
 無限の増殖能を失った状態の細胞死


特性X線

今日は、コメントで特性X線に関するご質問をいただきましたので、そのことについて少し書きたいと思います。
特性X線は物理の試験で毎年と言っていいほど出題されている非常に出題頻度の高い重要事項です。

特性X線
 軌道電子がエネルギーを得て軌道外に放出された状態(励起状態)にある原子はX線を放出して基底状態に戻ります。このときの放出されるX線を特性X線といいます。


 K殻の電子が軌道外に弾き飛ばされ、L殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Kα線、また、K殻の電子が弾き飛ばされ、M殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Kβ線といいます。  
 また、L殻の電子が弾き飛ばされ、M殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Lα線K殻の電子が弾き飛ばされ、N殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Lβ線といいます。

高い軌道から電子が落ちてきた方がエネルギーは大きくなりますので、
・Kα線のエネルギー<Kβ線のエネルギー
・Lα線のエネルギー<Lβ線のエネルギー

kαkβ

特性X線を学ぶ時には、オージェ電子蛍光収率に関しても是非理解しておいてください。 

オージェ電子
 励起状態の原子が特性X線を放出せずに外側の軌道電子を放出して基底状態に戻る過程をオージェ効果といい、放出される電子をオージェ電子といいます。

 
蛍光収率
 励起状態にある原子核は、不安定な状態になっているためエネルギーを放出して安定な状態である基底状態に戻ろうとします。放出されるエネルギーとして特性X線やオージェ電子があります。特性X線とオージェ電子は競合過程(どちらかが必ず起こる)です。
 原子番号がZ=32(Ge:ゲルマニウム)まではオージェ電子が起こりやすく、それ以上の原子番号では特性X線が起こりやすくなります。

(放射線概論P.33図2.5)

特性X線またはオージェ電子が放出されるものについては覚えておいてください。
・光電効果
・内部転換
・軌道電子捕獲(EC)
・コンプトン効果


細胞分裂と周期

今日は、細胞分裂と周期について書きたいと思います。

細胞はDNA合成期と分裂期を繰り返しながら増殖します。これを細胞周期といい、DNA合成期をS期分裂期をM期と呼んでいます。さらにM期と次のS期との間をG1期S期と次のM期との間をG2期と呼んでいます。

細胞周期

各期は細胞分裂のたびに、G1 → S → G2 → Mという順で繰り返され、G1期の途中で静止状態となり、細胞周期が回らなくなる場合もあります。このような特別な静止状態はG0期と呼ばれています。

各期と染色体異常の関係は以下のようになります。
・G0期での照射はDNA合成期のS期の前なので染色体異常
・G1期での異常はDNA合成期のS期の前なので染色体異常
・G2期での異常はDNA合成期のS期の後なので染色分体異常


細胞周期チェックポイント
 G1期、S期、G2期に備わっている細胞周期の進行状況やDNA損傷の有無をチェックする機構(M期にもあるという説もある)で、細胞周期の進行はそれぞれのチェックポイントで停止します。G1期、S期、G2期全てで停止します(M期でも停止するという説もあります)
・遅延部分の大部分はG2期にあるため、G2ブロックと呼ばれています。

細胞分裂周期による放射線感受性の違い
・DNA2本鎖切断の修復能の違いが影響している
・細胞周期依存性は低LET放射線で顕著であり、高LET放射線では小さい
・細胞の感受性はG2期とM期が高い(G2期も高感受性とすることが多い)
・M期は高感受性であるため、細胞死、染色体異常が多い
 G2期からM期:最高感受性 → 肩が小さい SLD回復小さい 直線に近い
 S期後半  :最低感受性 → 肩が大きい SLD回復大きい


細胞分裂周期

          

DNAの損傷と修復

今日はDNAの損傷と修復についてまとめたいと思います。
放射線概論ではP.261-266に記載されていることになります。

 DNAとは、塩基、糖(デオキシリボース)、リン酸が1分子ずつ結合したヌクレオチドが数多くつながった鎖がらせん状に2本並んだ巨大な分子(DNAの2重らせん構造)です。
 
 DNAをつくる塩基:A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)
 プリン塩基:A(アデニン)、G(グアニン)
 ピリミジン塩基: T(チミン)、C(シトシン)

○DNA損傷(起こりやすい順)
 ①塩基損傷:・OHによる酸化
 ②塩基遊離:脱塩基反応(塩基と糖の間の結合が切れる)
 ③1本鎖切断
 ④2本鎖切断:高LETで割合が増す(1本鎖切断の10倍のエネルギーが必要)細胞死



○DNA修復
光回復
 紫外線による損傷であるピリミジンダイマーが光回復酵素の存在下で可視光のエネルギーを利用してモノマーに戻し回復する。光回復酵素は、ウィルスとヒトを含む哺乳動物には存在しない。

 放射線取扱主任者試験で是非覚えておきたい疾患である色素乾皮症(XP)はピリミジンダイマーを修復できないために起こる疾患です。

色素性乾皮症(XP)
・UVに高感受性
・エンドヌクレアーゼを欠いた先天性遺伝疾患
・ピリミジンダイマーを修復できない
・皮膚がんを誘発

塩基損傷の修復
・除去修復
 ①塩基除去修復(損傷のある部位のみ切り出す)
 ②ヌクレオチド除去修復(損傷部位を含めて広い範囲を切り出す)

・1本鎖切断の修復
 組換え修復

・2本鎖切断(高LETで多い)の修復
 ①非相同末端結合:全細胞周期で見られるがG1,G2期で活発、誤りがちな修復
 ②相同組換え:相同な2本のDNAが必要なのでDNA合成後のS期後半~G2期 修復エ
ラーなし
  
  S期後半~G2期が放射線感受性が低いのは、相同組換え修復に必要な相同なDNAが複製されたばかりで距離的に近く効率よく修復が進むためです。
 (放射線概論P.269)

 2本鎖切断は高LET放射線で起こりやすくなり、1本鎖切断のおよそ10倍のエネルギーが必要である。2本鎖切断の修復は、非相同末端結合、相同組換え修復で行われ、1本鎖切断よりも大掛かりになり修復されにくくなります。


ビスマス209

こんばんは。
ビスマス209に関する質問をコメントでいただきましたので、今日はそのことについて少し書いてみたいと思います。

私が一昨年勉強した時の参考書「放射線取扱の基礎第6版(社団法人日本アイソトープ協会発行)」には、ビスマス209は安定同位体が1種類の元素(単核種元素)に含まれると書いてありました。
安定同位体で最も重い元素がビスマス209であると私も覚えた記憶があります。

しかし、ビスマス209に関しては、2003年にα壊変することが示されたとのことで、インターネットで調べると多くのHPにこのことが記載されていますね。

放射線取扱主任者試験の合格を目指す応援ブログで最も有名なチャンマーさんのブログ「第一種放射線取扱主任者の勉強法 ~ぐーたらチャンマーの勉強箱~」でも2012年3月18日の記事でビスマス209に関して書かれてあります。 
 → http://shuninsha.blog91.fc2.com/blog-entry-72.html

ビスマス209に関する記事の一例です。
 → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9209
 → http://www.wdic.org/w/SCI/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9


単核種元素の覚え方として、以下の語呂合わせがあります。

単核種元素(安定同位体が1つのみの元素)の覚え方
 9Be 19F 23Na 27Al 31P 45Sc 55Mn 59Co 75As 93Nb 89Y 103Rh 127I 133Cs 197Au 209Bi
 別荘ふうなあるプレイス すごく真面目なこひ(恋)に溺れ 一途に浪人 愛せよ 乙女美人


最後の209Biは今後省いた方がいいのかもしれませんね・・・?!


生物学的効果比(RBE)

昨日の酸素増感比(OER)に引き続き、今日は生物学的効果比(RBE)に関して書きたいと思います。

生物学的効果比(RBE)
 放射線の種類により生物学的影響の強さが異なることを表すための指標で、以下の式で表されます。
(放射線概論P.305)


  ある効果を得るのに必要な基準放射線の吸収線量_
  同じ効果を得るのに必要な試験放射線の吸収線量


生物学的効果比(RBE)比はだいたい1~5の値をとります。

RBEと線エネルギー付与(LET)との関係を表した図は以下のようになります。
この図は覚えておいてください。 

 RBE.jpg


RBEについて覚えておきたいこと

・基準放射線には通常エックス線が用いられます。

・RBEは指標が異なれば値も異なります。放射線の種類やエネルギー、また、線量、線量
 率、酸素分圧、温度などの環境条件、さらには生物学的効果(発がんなのか、細胞死な
 のか)
によっても値が異なります。

・RBEは種々の放射線についてその値が異なり、ほぼ線エネルギー付与(LET)に依存して
 上昇し、LETがおよそ100[keV/μm]でピークを示し、非常に高いLETではRBEはかえっ
 て低下します。


・ICRPは、低線量における確率的影響のRBEにもとづいて種々な放射線に対する放射線
 荷重係数
を定めています。

・RBEは100[keV/μm]まではLETの増加と共に上昇していくが、OERはLETの増加と共に
 減少していきます。



酸素増感比(OER)

先日、間接作用の効果の中で、酸素効果について触れました。

放射線の酸素効果とは、
 細胞の放射線に対する感受性が、酸素濃度の高い場合に大きくなり、逆に酸素濃度が低い場合には低下する現象のことをいいます。


その酸素効果の指標として酸素増感比(OER)があり、酸素がない状態下と酸素がある状態下で同じ生物効果を与える放射線の線量の比で、次式で表されます。

  無酸素下である効果を得るのに必要な線量_
 酸素存在下で同じ効果を得るのに必要な線量


酸素増感比はだいたい1~3の値をとります。

OERと線エネルギー付与(LET)との関係を表した図は以下のようになります。
この図は覚えておいてください。 

 OER.jpg

  
・OERは低LET放射線では2.5~3で、粒子線のような高LET放射線では低LET放射線より
 も酸素による放射線感受性の変動が小さく1に近づきます。
(放射線概論P.261)
・腫瘍組織(ガン組織)は低酸素状態を含み、放射線感受性が正常細胞より低下し放射線
 抵抗性になります。
・酸素効果は照射時に酸素が存在することが必要であるため、照射後に酸素濃度を高めた
 としても効果はありません(放射線概論P.261)


酸素増感比は生物学的効果比(RBE)と並んで、放射線取扱主任者試験でもよく出題されています。
過去問題を通してマスターしておいてください。

次回は生物学的効果比(RBE)について書きたいと思います。



酸化剤、還元剤、活性酸素など

昨日は、水の電離・励起に関して覚えたい反応式を書きました。
今日は、是非覚えておきたい酸化剤、還元剤に関して書きたいと思います。生物の試験では出題頻度が高い分野ですので覚えておいてください。

是非覚えておきたい酸化力、還元力がある物質

酸化力があるもの : 過酸化水素(H2O2)、OH・(OHラジカル)
還元力があるもの : 水和電子( eaq-)、H・(Hラジカル)、水素(H2)



酸素が還元されていく変化を表した以下の反応式は重要ですので必ず暗記してください。
 
 

その他、覚えたい重要事項

・酸素分子と水和電子の反応でスーパーオキサイドラジカルが生成する 

・スーパーオキサイドラジカルはSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)により不活性化される

・過酸化水素はカタラーゼにより水と酸素になる
 

・酸素は2つの不対電子をもつフリーラジカルである(ただし、一重項酸素はラジカルではない)

・過酸化水素はラジカルでない

・活性酸素は、大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称で以下の4種類があるあります。
  
  スーパーオキサイドラジカル
  ヒドロキシルラジカル
  過酸化水素
  一重項酸素



ヒドロキシルラジカルと水素ラジカル

放射線概論P.258に書かれている水分子の電離・励起反応の式は是非暗記しておきたいですね。

水の励起
 水分子が励起されるとOH・(ヒドロキシルラジカル)H・(水素ラジカル)の両方を生成します。

 

水の電離
 水分子が電離されると①水イオンラジカル②電子を生成します。

 

 ①水イオンラジカルからはOH・(ヒドロキシルラジカル)が生成します。

 

 
 
 ②電子からはH・(水素ラジカル)が生成します。

 

 

 

 
 
 

間接作用の効果

今日は昨日最後に少し触れました間接作用の効果について覚えておきたいことを書きたいと思います。

1.希釈効果
 ある物質の水中濃度が低くなるほど、放射線によって不活性化される分子の割合が増加します。この現象は希釈効果と呼ばれ、間接作用の存在を示す証拠となっています。

 一定量の放射線を照射した場合、もし直接作用のみであれば、標的物質の水中濃度が低くなるにつれて不活性化する物質も減るはずです。ところが、放射線により水分子が分解してある量のラジカルや分子生成物が生じる場合には、一定の線量ではこれらが一定量生じます。従って標的物質の水中濃度に関係なく一定量の物質が不活性化されることになります。

 直接作用は酵素分子に対し直接に作用するので、その濃度が高いほど不活性化される分子数は多くなります。一方、一定線量であれば水の電離や励起の数は一定であり、生成するラジカルの数も一定になる。このため、間接作用では不活性化される酵素分子数は濃度に関係なく一定になります。
しかし、分子数ではなく、割合で考えると、間接作用では濃度が小さいほど不活性化率は高くなり、直接作用では一定となります。

不活性化される分子数
 直接作用:濃度が高いほど不活性化される分子数は多くなる
 間接作用:濃度に関係なく不活性化される分子数は一定

不活性化率
 直接作用:濃度に関係なく不活性化率は一定
 間接作用:濃度に低いほど不活性化率は高くなる



2.酸素効果
 放射線の生体への作用が酸素の存在で増強される現象があります。これを酸素効果といいます。

酸素効果は、
(1) 水分子から生じたラジカルが酸素(O2)との反応でさらに有害なラジカルを生成
(2) 損傷部が酸素と反応して修復されにくくなる(固定化される)
が、原因とされています。

(1)は間接作用でしか起こりませんが、(2)は間接作用でも直接作用でも起こります。

酸素は照射中に存在することが必要であって、照射直前あるいは直後に酸素分圧を高めても酸素効果は見られません。

酸素効果(分圧関係)

・酸素効果では図に示すとおり、酸素分圧は0~20mmHgで効果がある
・酸素効果は細胞周期依存性は小さい

 腫瘍周辺の正常細胞に触れている細胞は酸素濃度が高く感受性が高い。この細胞を分割照射により死滅させて、段階的に内部の細胞の酸素濃度を高めることを再酸素化といいます。
(放射線概論P.311-312)


3.保護効果
 ラジカルと反応しやすい化学物質が照射時に存在すると、照射によってラジカルが生じた場合に、それがラジカルを捕捉する結果、生体高分子の損傷が軽減されます。これを保護効果といい、このような物質を放射線防護剤(ラジカルスカベンジャー)といいます。
 システイン、システアミン、グルタチオンなどのチオール(S-H)をもつ化合物など。

 ラジカルスカベンジャーはラジカルを補足するため間接作用でのみ起こる。
 OH基も還元作用を示すことから、アルコール、グリセリン、ポリエチレングリコールも保護効果を示す。


4.温度効果(凍結効果)
 低温または凍結によって放射線の効果は減少されますが、これは照射によって生じたラジカルの拡散が妨げられ、間接作用の効果が減少するからです。
 なお、温度は直接作用にも影響を及ぼします。どちらの場合でも、低温では放射線に抵抗性になります。



直接作用と間接作用

今日は直接作用と関節作用について書きたいと思います。

生物に対する放射線の影響
 放射線のエネルギーがその分子に直接吸収されて障害をおよぼす直接作用と、他の分子(主に水分子)がエネルギーを吸収し活性生成物を作り、それが標的分子と反応して標的分子に障害を及ぼす間接作用に分けることができます。

・直接作用:放射線が生体高分子を直接に電離あるいは励起し、高分子に損傷が生じる
・間接作用:放射線が水の分子を電離あるいは励起し、その結果生じた・OH(ヒドロキシルラジカル)や・H(Hラジカル)などのフリーラジカル(遊離基)が生体高分子に作用して損傷を引き起こす

・乾燥状態の物質 → 直接作用
・生体など水が多く含まれる物質 → 間接作用

 
 生体(細胞)は水が80%を占めるため、放射線の水分子への作用の結果生成したラジカルや分子生成物が生体内成分に障害を引き起こす間接作用が中心となります。



放射線の線質による違い

低LET放射線(X線、γ線、β線)
・間接作用の割合が直接作用よりも大きい
・低LET放射線では、直接作用と間接作用の比はおよそ1:2である
・・OH(ヒドロキシラジカル)による間接作用がその多くを占める

高LET放射線(中性子線、α線、重粒子線)
・直接作用が主になる
 
 高LET放射線では飛跡に沿っての電離密度が高くスプールを多く生成し、直接作用が起こりやすくなっているためである。また、高LET放射線では間接作用で生じた・OHや・Hが局所的に非常に高濃度に生成する結果、これらラジカルが生体高分子に作用する前にラジカル同士の再結合が起こってしまうからであると考えられている。
 


間接作用の効果
 希釈効果、酸素効果、保護効果、温度効果といった現象が見られる


身体的影響と遺伝的影響

昨日、確率的影響と確定的影響について是非覚えておきたいことを書きました。
今日は関連事項として、身体的影響と遺伝的影響に関係することで是非覚えておきたいことを書きたいと思います。

身体的影響:
・放射線影響が被ばくした本人に現れる現象(小頭症、白内障、不妊、白血病など
・早期影響(急性影響)と晩発影響に分類
・妊娠中の被ばくは胎児自身の身体的影響
・生殖細胞の減少も本人の身体的影響

小頭症は胎児被ばくで重要です。
器官形成期(受精9日から受精8週)までに見られる奇形で、ヒトで確認された唯一の奇形です。胎生期で第15週までがリスクが大きく、奇形のしきい線量は0.1Gyです。
(放射線概論P.302)

遺伝的影響:
・将来子供を産む可能性がある人が生殖腺に被ばくを受けた場合のみ
・生殖細胞の突然変異が子孫に伝わって生じる

遺伝的影響の発生率の推定法には以下の2つがあります。

①直説法:動物実験により求めた突然変異率から遺伝的影響の発生率を直接推定する
②間接法:ヒトの遺伝的疾患の自然発生率と動物実験による倍加線量を比較して推定する方法

 倍加線量とは自然発生の突然変異率を2倍にするのに必要な線量であり、倍加線量が大きいほど遺伝的影響は起こりにくく、倍加線量の逆数は単位線量あたりの相対突然変異リスクを表しています。
 
 原爆被ばく者の疫学データからは、発ガンの増加は認められているが遺伝的影響の増加は認められていません。



確率的影響、確定的影響

こんばんは。
新年に入ってから天気のいい日が続いていますね。
私の住んでいるところでは、今日は風が冷たく感じられましたが快晴でした。

今日から仕事が始まった方も多いのではなでしょうか?
本格的に新しい年のスタートですね。
今年8月に放射線取扱主任者試験を受験する皆さんも、本格的に勉強をスタートさせる時期かと思います。

このブログでも、皆さんが放射線取扱主任者試験に合格できるように少しでも役に立つ情報を書いていきたいと思います。

さて、早速、今日から生物に関する内容を少し書いていきたいと思います。
今日は、「確率的影響」、「確定的影響」に関係することに関して是非覚えておきたいことを書きたいと思います。

・確率的影響:しきい線量なし 全て晩発影響(がん、遺伝的影響)
・確定的影響:しきい線量あり 大部分は急性影響
   放射線肺炎は急性障害であるが、数ヶ月で晩発影響である肺線維症に移行
   確定的影響で晩発影響は、白内障、再生不良貧血、骨折(骨壊死)、肺線維症 
   放射線脊髄症、穿孔


確率的影響、確定的影響に関しては、放射線概論P.252の線量と頻度、重篤度を表す図(以下の図)は是非自分で書けるようにしておいてください。

確定的影響と確率的影響


以下の文面も暗記しておきたいですね。

・国際放射線防護員会(ICRP)は、放射線防護の目的は、確定的影響を「防止」し、確率的
 影響を「容認できるレベルまで制限する」ことにある
としている。
・被ばくを伴う行為は、放射線障害を相殺するのに十分な便益を生む行為でなければ採用
 すべきでない。
・放射線被ばくは経済性などを考慮して合理的に達成できる限り低く保つべきである。

防護の体系としては、
①行為の正当化
②防護の最適化
③個人線量限度


外部被ばくからの防護で重要なことは、「時間」、「距離」、「遮へい」の3つで、
 ①時間:作業の計画を立て、放射性物質を取扱う時間をできる限り短くする
 ②距離:放射線源との距離を可能な限り長くとり、被ばく量を減らす
 ③遮へい:放射線源と作業者との間に遮へい物を設置する

α線:衣類で十分 
β線:アクリル板1cm(高エネルーβ線は制動放射の遮へいに鉛などが必要)
γ線:透過力が強いので鉛などの高原子番号の材料で遮へい
中性子線:水素を多く含む水やポリエチレンなどの材料で遮へい

以下の図はWikipediaからの引用図である。

1.png

2014年のはじまり

新年あけましておめでとうございます。
2014年のはじまりです。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
私は、普段と何も変わりばえのしない毎日を過ごしています。

皆さん、初詣は行きましたか?
初詣の際には、是非、今年の目標のひとつとして、「放射線取扱主任者の資格取得」を祈願してきてください。

新年のはじまりは、この1年の目標などをあれやこれや考えることも多いかと思います。欲張らずに、無理のない目標設定をして達成を目指してください。

少し頑張って努力することで手の届きそうな目標を掲げ、それを達成することで、満足感や喜びが湧いてきます。目標達成は自分へのご褒美です。
ひとつの目標が達成できると、今度はもう少し難しそうな目標を掲げ、それに向かって努力したくなります。
その積み重ねで、自分では考えてもいなかったような大きな目標を達成できることもあります。

まずは小さい目標から始めて頑張ってみてください。
「努力」と「継続」です。

資格や勉強ばかりが目標ではありません。
自分が今年は是非頑張りたいことであれば何でも構いません。
ほんの少しの努力から始めてみましょう。

私の今年の目標はというと・・・恥ずかしくて書けません 笑
自分の目標などは誰かに公言したりすることで、逃げ場がなくなり頑張らざろうえなくなるのかなとも思いつつも、なかなかその勇気も持てないですね。
このブログで、自分の今年の目標をちゃんと書けるといいのですが・・・笑

さて、1月に入りましたので、今年受験する皆さんは試験まで7か月半ほどになりました。
お正月が明けたら、そろそろ本気を出して勉強に取り掛かってもいい時期に来ています。

このブログでも、そろそろ真面目に試験に向けた内容を少しずつ書いていきたいと思っています。
物理、化学に関しては昨年かなり書きましたので、これからしばらくは生物の重要ポイントを中心に書いていこうかと思います。
生物、法規などは勉強すれば確実に点数が取れる教科です。頑張ってください。

一緒に頑張って合格を目指しましょう!

ブログをご覧いただいている皆さん、今年もどうかよろしくお願いします。

ふー

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